ドリアン・グレイの肖像オスカー ワイルド (1962/04)
新潮社
20歳になったばかりのドリアン・グレイは誰もが見入ってしまうほどの端整な美貌の持ち主で、その顔には一目で他人の信頼をかち得る何かがあった。友人の画家バジルはそんなドリアンの美貌を残しておこうと彼に肖像画を送り、別の友人のヘンリー卿はドリアンに「この世の全ての価値は若さと美にあり、それが失われたら何が残るというのだろう?」と、熱弁をふるった。ドリアンは美しく描かれた自分の肖像画を見て、「いつまでも若さを失わずにいるのが僕自身で、代わりに醜くなるのがこの絵だったなら、僕はどんな代償も惜しまない」と、強く思うのだった。
そして、ドリアンはある役者の美少女に恋をするが、彼女の方が彼を好きになった途端に冷酷に彼女を捨て去ってしまう。その日家に帰り、肖像画に目をやると、ある変化に気がつく。肖像画の中の純真無垢だったドリアンの顔は口元が冷酷な感じを帯びていたのだった。その日を境に肖像画の中のドリアンは次々と醜い変貌を遂げる…。
快楽と淫蕩にふける青年の生涯を、残酷な童話調に語ったオスカー・ワイルドの代表作。
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